TrendForce、4QのDRAM契約価格を10~15%上昇予測、エンタープライズSSDは上げ幅拡大へ
TrendForceは第4四半期の汎用DRAMとNANDの契約価格上昇継続を予測し、エンタープライズSSDでは上げ幅が拡大するとみる。焦点は一律の値上げではなく、クラウドと民生向けの調達分化にある。
TrendForceは2026年第4四半期の汎用DRAM契約価格が前期比10~15%、NAND Flash契約価格が15~20%上昇すると予測した。エンタープライズSSDは上昇幅が拡大する品目になるとの見方も示した[1]。これは1四半期の契約交渉に関する市場調査会社の予測であり、成立済み取引でも、全てのメモリー・ストレージ製品に同じ上昇率が適用されるという意味でもない。MoneyDJもこのレンジとエンタープライズSSDの見方を報じたが、実際の取引価格を独立して検証したわけではない[2]。
今回の予測で重要なのは、単に価格が上がるという点ではなく、買い手の動きが分かれていることだ。TrendForceによれば、PCブランドは2027年のDRAM供給逼迫を懸念して調達を続ける一方、高い部材コストがノートPC販売を圧迫している。低価格在庫が尽きた後は、モバイルDRAMのコスト上昇と減産予想がスマートフォンのビット需要を抑えるという[1]。対照的に同社は、CSPのAI推論インフラが2026年のエンタープライズSSDビット需要を80%以上押し上げると推定する。追加のQLCと大容量製品の供給も多くが事前確保済みだという[1]。これらはTrendForceの業界推定であり、各社の受注・出荷データで個別に独立検証されたものではない。
従って10~15%と15~20%は、サプライチェーン全体の一律な結論ではなく、製品と顧客群ごとに異なる契約価格シナリオとして読むべきだ。1週間前、TrendForceはCSPの調達とHBM・サーバーDRAM優先によって第4四半期のDRAMが逼迫する一方、民生機器の需要は弱まると述べていた[3]。9月30日の更新はその分化をNANDとエンタープライズSSDにも広げた。John Woodの分析では、サーバーとクラウドの買い手が追加の大容量供給を先に確保すれば、逼迫は全ての最終機器の容量に直ちに現れるより、交渉可能な製品ミックスと納期に先に表れる可能性がある。長期契約の価格帯、PC・スマートフォン需要の追加悪化、予想より速いQLC増産は実際の上昇幅を抑える反証となる[1][4]。次に確認すべきは各社の四半期ガイダンス、エンタープライズSSDの受注・出荷、PC・スマートフォン在庫、契約価格とスポット価格の乖離だ。それまでは、これらの比率を現物価格や投資判断ではなく、出所を明示した先行推定として扱うべきである。
関連出典
記事中の主要な事実、企業の主張、分析判断を以下の根拠に対応付けています。