Samsung、2028年までにDRAM量産へHigh-NA EUV導入を計画――工程検証が増産の新変数に
SamsungとASMLが協業を拡大。Samsungは2028年までに将来のDRAM量産へHigh-NA EUVを導入する計画を示したが、ノード・歩留まり・能力は未公表だ。
Samsung ElectronicsとASMLは9月8日、協業拡大を発表した。Samsungは高開口数極端紫外線、High-NA EUVを2028年までに将来のDRAM量産へ導入する計画だとした[1]。これは新たなDRAM生産能力でも、すでに量産が始まった証拠でもない。先端DRAMの増産で重要な論点の一つが、装置を入手できるかから、マスク、工程統合、歩留まりを検証できるかへ移ることを示す。
共同発表では、SamsungがHigh-NA EUV向け12インチフォトマスク・プラットフォームの取り組みにも参加するとしている。ロイターの同日報道も、Samsungの目標を2028年までのDRAM量産への導入と伝えた[2]。確認できるのは協業と目標年である。発表にはDRAMノード、月産能力、歩留まり、顧客認定の予定はない。計画を現時点の供給増と読むことはできない。
High-NA装置を導入しただけでメモリーが出荷されるわけでもない。SK hynixは2025年、利川M16工場に量産用EXE:5200Bを導入したと発表し、より高い開口数がパターン精度と集積度を改善し得ると説明した[3]。これは装置導入が次世代DRAM開発の土台になり得るという会社の説明であり、Samsungの2028年製品の歩留まりを裏付けるものではない。競争の焦点は、誰が先に装置を得るかから、装置、マスク、メモリー工程を誰が安定してつなげるかへ移っている。
John Woodの分析では、この協業がまず変えるのは2026年の現物・契約DRAM供給ではなく、中期の製造経路の確からしさである。High-NAが先端パターニング層の工程複雑性を下げられれば、密度とコスト競争力の改善につながる可能性がある。ただしこれは各社の技術ロードマップからの推論であり、価格、シェア、売上の予測ではない。12インチマスク、工程統合、歩留まり認定の遅延は反対の展開となる。
Samsungが示す最初の対象DRAMノード、試作と顧客認定の節目、ASMLによる装置納入とエコシステム準備度の公開を見たい。これらが実際のウエハー出力とともに確認されて初めて、2028年の約束は装置協業から観測可能なDRAM供給能力へ変わる。
関連出典
記事中の主要な事実、企業の主張、分析判断を以下の根拠に対応付けています。